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Hokkaido Digital Museum

北海道の歴史と文化と自然

北海道誕生のころ

46億年の地球の歴史のなかで、北海道の大地はダイナミックな変容をとげてきました。わたしたちが見ている山々、海、川、湖、平野、森林、そしてそこに生きるさまざまな動物・植物たちは、長い歴史の積み重ねによってつくられてきたものです。この大地からは、多くの古生物の化石も見つかっています。悠久の地球の歴史を感じさせる北海道を訪ねてみましょう。

北海道はこうして生まれた

地球の表面はいくつかの厚い岩板(プレート)で覆われていて、絶えずぶつかり合っています。東日本大震災も、太平洋プレートがユーラシアプレートの下に沈み込むひずみで起きたことは、よく知られています。
北海道誕生のものがたりには、さまざまな説がありますが、このプレートの移動が北海道をつくったことは間違いありません。

2億年前には、今の北海道のあたりは一面の海でした。
約1億4000万年前、東の北米プレートと西のユーラシアプレートが近づきはじめ、それぞれのプレートの上に島が生まれました。これを「オホーツク古陸」と「西方古陸」と呼んでいます。この二つの島はどんどん近づき約4000万年前には衝突してひとつの島になりました。
この二つの大陸プレートの衝突は活発な火山活動を生み、さらに南からせまる太平洋プレートと北米プレートの境界で生まれた千島弧が東から衝突しました。このような地殻活動によって島の中央部は隆起し、プレートがめくれ上がるかたちで北海道の背骨である日高山脈が生まれます。またその反動で西側の地殻が押し下げられて、石狩平野が生まれました。こうして今からおよそ1000万年前には、北海道の原形が誕生したというのが、北海道誕生の説のひとつです。
約250万年前、氷河期と呼ばれる第四紀更新世に入ると、気候の変動によって海岸線は大きく変化しますが、次第に激しい地殻変動はおさまり、少なくとも約21万年前には北海道は現在と同じような形になりました。

化石が物語る北海道

宗谷岬から浦河まで、北海道の南北に長く「蝦夷層群」という地層があります。これは主に白亜紀の海で堆積した地層で、近くには中川町、小平町、三笠市、夕張市、むかわ町穂別など化石の宝庫として知られるまちがあり、アンモナイトや首長竜などの化石がたくさん見つかっています。とりわけアンモナイトは、日本最大の産地で大型のアンモナイトが数多く見つかっていることでも有名です。 また白亜紀は恐竜の時代として有名ですが、むかわ町穂別では世界的な発見となる、7200万年前のハドロサウルス科の恐竜のほぼ全身骨格(推定全長8m)が見つかりました。ハドロサウルス科恐竜は植物を食べ、集団で生活し、世界中で繁栄しました。肉食恐竜から逃れるために、体には縞(しま)があり、速く走れたと考えられています。恐竜は白亜紀末のユカタン半島への巨大隕石の衝突で絶滅したと言われていますが、その証拠となるイリジウムという物質は北海道からも見つかっています。

蝦夷層群分布域

宗谷岬から浦河まで、北海道の南北に長く「蝦夷層群」という地層があります。これは主に白亜紀の海で堆積した地層で、近くには中川町、小平町、三笠市、夕張市、むかわ町穂別など化石の宝庫として知られるまちがあり、アンモナイトや首長竜などの化石がたくさん見つかっています。とりわけアンモナイトは、日本最大の産地で大型のアンモナイトが数多く見つかっていることでも有名です。
また白亜紀は恐竜の時代として有名ですが、むかわ町穂別では世界的な発見となる、7200万年前のハドロサウルス科の恐竜のほぼ全身骨格(推定全長8m)が見つかりました。ハドロサウルス科恐竜は植物を食べ、集団で生活し、世界中で繁栄しました。肉食恐竜から逃れるために、体には縞(しま)があり、速く走れたと考えられています。恐竜は白亜紀末のユカタン半島への巨大隕石の衝突で絶滅したと言われていますが、その証拠となるイリジウムという物質は北海道からも見つかっています。

北海道産の巨大アンモナイト
北海道ではこれまでに500種類以上のアンモナイトが見つかっています(三笠市立博物館所蔵)
穂別恐竜に近縁のオロロティタン図(写真提供:穂別博物館)
デスモスチルスという名前は、Desmos(=束)とStylus(=柱)が由来です。柱を束ねたような臼歯を持っていることが特徴です(うたのぼり健康回復村ふるさと館所蔵)

恐竜の絶滅後、ほ乳類が繁栄する時代になりますが、枝幸町歌登からは約1400万年前のデスモスチルスの子どもの全身骨格化石が発見されました。デスモスチルスは体長2~3m、体重1tあまりの大きなほ乳類で、海に入ったり陸に上がったりの半水生の生活をしていたと考えられています。
また北海道は日本でもっとも多くの場所からカイギュウの化石が見つかるカイギュウ化石の聖地です。ジュゴンの古い仲間であるカイギュウは、海で生活する大型のほ乳類でした。約1200万年前のショサンベツカイギュウは、温暖な海でくらす日本最古のカイギュウ化石です。寒冷化した後の海からは、サッポロカイギュウ、タキカワカイギュウ、キタヒロシマカイギュウなど、長い年代にわたっての化石が見つかり、進化の系統がわかることでも価値ある化石となっています。

北のマンモス、南のナウマンゾウ

北海道は、日本で唯一北方のマンモスゾウと南方のナウマンゾウがどちらもすんでいた場所です。
約250万年前、第四紀に入ると地球が寒冷化して「氷河時代」と呼ばれるようになります。この時期、地球は寒冷化と温暖化を繰り返しました。寒い氷期には陸地に水分がとどめられて海水面が低くなり、逆に温暖化した間氷期には海が広がって内陸に入り込みます。このため、北海道の海岸線は絶えず変化し続けました。氷期には海水面が80~140mも下がり、津軽海峡や宗谷海峡がなくなって大陸と地続きになったことがあります。幕別町忠類で見つかったナウマンゾウの全身化石は、12万年前のものでした。かれらは本州から津軽海峡を渡ってきました。
また4万5千年前から2万年前ごろ、サハリンを通って大陸から渡ってきたのがマンモスゾウです。マンモスゾウを追って、北海道に北方の人々が渡ってきたのもこのころです。

マンモスの復元骨格
ロシアでみつかった化石をもとに作られたレプリカ。体長3.5m、高さ2.9mで、キバの長さが2.5mにもなります(釧路市立博物館所蔵)
ナウマンゾウの復元骨格模型
忠類では、ナウマンゾウの全骨格の70~80%にあたる47個の化石骨が見つかりました。ここで発掘されたナウマンゾウ化石の復元骨格は22体複製され、国内外の博物館などに展示されています(忠類ナウマン象記念館所蔵)

北海道の自然史ミュージアム

山脈の歴史を、岩石から読みとろう

日高山脈博物館

日高山脈はどのようにしてできたのか。山脈付近で見られるたくさんの岩石・化石に実際に触れながら学ぶことができます。登山や自然についての展示もあり、4階の展望台からはその山並みを一望できます。


全長8m、ホッピーのふるさと

むかわ町立穂別博物館

地元で発掘されたホベツアラキリュウ(愛称ホッピー)展示のために設立された博物館で、中生代白亜紀に生息した首長竜、モササウルス、アンモナイト、イノセラムスなどを展示しています。


日本一のアンモナイト博物館

三笠市立博物館

北海道から発見されたアンモナイト約80種600点を中心に、約1,000点にのぼる化石を展示しています。ケースに入っていない展示物は一部をのぞいて手で触ることができます。


デスモスチルス化石が続々発掘

うたのぼり健康回復村ふるさと館

歌登は1977年以降、11体ものデスモスチルスの化石が発掘されました。ふるさと館ではデスモスチルスの骨格標本や石器類をはじめ、パンケナイ川で採取された砂金や幻の魚イトウなどを展示しています。


デスモスチルスについて知るなら

足寄動物化石博物館

これだけ多くのデスモスチルスの標本を展示した博物館は世界でもめずらしく、デスモスチルスの仲間のパレオパラドキシア、ベヘモトプス、アショロアについても学ぶことができます。そのほか足寄周辺で発掘された化石も多数展示。


カイギュウの展示が充実

滝川市美術自然史館

ひとつの建物に美術部門と自然史部門を併せ持った博物館で、自然史部門には500万年前に生息していたタキカワカイギュウのほか、その祖先にあたるヨルダニカイギュウ、ステラーカイギュウなどの骨格標本を展示しています。


カイギュウの親子がよりそう

初山別村自然交流センター

住民の集会、研修、学習、交流のための施設で、村内で発見されたショサンベツカイギュウの復元骨格を展示しています。胎児の化石も同時に発見され、親子が並んでの展示です。


クビナガリュウや恐竜化石を展示

中川町エコミュージアムセンター

中川町で発掘された全長11mのナカガワクビナガリュウをはじめ、テリジノサウルスのツメ、アンモナイト、サメなどの化石を多数展示しています。学校や団体での宿泊研修も受け入れています。


産炭地で見るアンモナイト化石

夕張石炭博物館

石炭と炭鉱のすべてを見て触れて、学べる体験型博物館。敷地内にある「ゆうばり化石のいろいろ展示館」で、アンモナイトや首長竜などの化石を展示しています。


「化石王国」沼田を体感

沼田町化石館

化石体験館ではヌマタカイギュウ、プロトミンククジラ、デスモスチルス、全長12mのクビナガリュウ(タラソメドン)、モササウルス類などの復元骨格を展示。化石発掘の疑似体験や石こうレプリカ作り、ミニ発掘なども体験できます。

化石体験館(新館)
レプリカ工房

ナウマンゾウ発見の感動を伝える

幕別町忠類ナウマン象記念館

1969年のナウマンゾウ化石の発見から発掘までの感動を、パネルや映像、全長4.3mの復元模型等を用いて紹介しています。記念館の隣は道の駅「忠類」です。


マンモスの全身骨格を展示

釧路市立博物館

マンモスホールに展示されたマンモスの全身骨格のほか、約3800万年のほ乳類クシロムカシバクの化石、釧路湿原のおいたちなど、釧路の自然、歴史、アイヌ文化などについて幅広く紹介しています。


マンモスとオオツノシカがお出迎え

由仁町ゆめっく館

由仁町では1990年にマンモスの臼歯とオオツノシカの角の化石が発見されました。図書館と資料館の複合施設のメインホールに、マンモスとオオツノシカの実物大模型を展示しています。


「風のまち」でマンモスに会う

えりも町郷土資料館ほろいずみ

町の主産業であるコンブ漁やコンブの生態、町内の自然、歴史、文化、水産業などを紹介する施設で、日高山脈の成立についてや、マンモスの臼歯化石も展示しています。


勇払原野に抱かれたミュージアム

苫小牧市美術博物館

2013年にリニューアルした美術館と博物館の複合施設で、エントランスホールに実物大のマンモス親子像を展示しています。勇払・樽前山の地質と自然、日高産のアンモナイト、勇払原野の生き物など、幅広い展示があります。


北海道の全体的な自然史をたどるなら

北海道博物館


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